夫婦の不満の上手な伝え方③伝わり方の違いを実感

言っても伝わらない・・

ストレスはたまる一方!!

どうしたら伝わるの?

そんなことを思うあなたに

言い方ひとつで人の内面に影響する度合いが変わり

素直に受け入れてもらえるかどうかも変わる

ということを自分自身が体感して理解する方法

をお伝えするのがこの記事です。


メイン記事はこちらです。

夫や妻への不満の上手な伝え方①気持ちが伝わり行動が変わる夫婦の会話

日常的なパートナーの行動に対する不満を伝え、改善してもらうための5つの考え方と会話の方法を具体的にわかりやすく書いています。

夫や妻へ夫婦の不満の上手な伝え方②喧嘩は卒業【傷つけない】がコツ

言っても変わらない・・。無意識に自分の心を守ろうとしている心の働きのせいかも。跳ね返されず受け入れてもらえる伝え方が分かります。

夫婦の不満と向き合い、上手に伝えるポイントの復習

夫や妻への不満の上手な伝え方②の記事の簡単なおさらいになります。

日常で相手に対して不満に思うことの多くは、相手の「行動」に対してで「その人自身」に対してではない



けれど



不満をもつ(言う)側にとっては

相手の嫌な行動も数が多くなると、どうしても「その人=嫌だ」が強くなり

(靴下を脱ぎ散らしてる)うさぎさんなんて嫌い

このような発言をしてしまうことがあること。




逆に、不満を言われる側は、心を守るために

じゃあ、靴下を脱ぎ捨てるのをやめたら?

といわれただけで

クマが悪いって言うんだね!

と、自分を全否定されたかのように思ってしまい、こんな返事を返してしまう。


それは、脳がそのように働く性質があるということで、その性質を理解しておくことも役に立つことだということをお伝えしました。

ニューロロジカルレベル

脳の働きの一つを知るために、ニューロロジカルレベルという考え方があります。


ニューロロジカルレベルでは人間の意識は浅いところから深いところまで以下の5つの段階があります。

ニューロロジカルレベルの段階

  • 「環境」
  • 「行動」
  • 「能力」
  • 「価値観」
  • 「アイデンティティ」

そして、その各階層に属した”表現”(伝え方)があります。

ニューロロジカルレベル

例えばこのようなものです。

ニューロロジカル段階表現の例

靴下を脱ぎ散らかすのをやめてほしい=行動のレベルの表現

あなたなんて嫌い=アイデンティティの表現

人には、自分を守る本能がある

人の脳には、自分の心を守る働きがあります。

これは、太古から生きる人類の長い歴史の中で、「生きるか死ぬか」で「生きる」ために培われてきた能力です。


そのため、危険を感じる時には人間は

【逃げるor闘うor死んだふり】

をするという本能的な能力があります。



例えば、物理的に危ない!と思ったら逃げますよね?

もしくは、近づかない方がいいと思うかもしれません。


人に対しても、この人は敵に回したら危なさそう・・と思ったら早々に立ち去るとか、つかず離れずを保つとか、自分の身を守ることを考えます。


あまりにおいしい話は疑ったり(だまされないように)

安すぎるものも疑ったり(何か裏を考えたり)



現代では物理的な生きる・死ぬ以外の様々なことからも自分を守って生きています。

”傷つきたくない”もその一つです。

夫と妻の「話を否定される」問題から夫婦で卒業する方法

「否定しないで」「否定してない」すれ違う夫婦の思いと会話。何が「否定」?「否定しない」ためにはどうすればいいの?が分かります。

そのために、相手が自分を傷つける言葉をもらう(もらいそう!!)となったら、自分の心を閉ざしたり(死んだふり)、攻撃したり(闘う)、話をすり替えたりその場から離れたり(逃げる)するのは、当然のことなのです。


でも、夫・妻として、時には相手にとって嬉しくないことでも、相手に伝えたい・理解してほしいと思うことはあるものです。


そんな時に、知っておいた方がいいことが


相手に伝えるためには、相手が心を守る・逃げる・闘う をしないように伝える必要がある

ということなのです。


表現次第で、相手があなたの言葉を素直に受け取れるかはどうかが大きく変わります。

そこで、今回は、ニューロロジカルレベルをもとに、属する表現によってどれほど受け取られ方・受け取り方が違うのかを自分自身が体感するワークをご紹介したいと思います。


表現の違いの理解・体感ワーク

相手に上手に不満を伝えられるようになるために、言葉による内面に影響する度合いの違いを実感してみましょう。

自転車の乗り方を「見た事がある(知っている)」と「乗れる」は違うように、”見るだけ”と”やってみる”も全く違います。


この先の夫婦関係が変わるくらいの大きなポイントになるかもしれませんので、よかったらぜひやってみてくださいね。

表現の違いの理解・体感ワークの方法

では、やり方の説明をしていきます。

表現レベルの違いを体感するワーク

Step1
■一人で行う場合
後から出てくる吹き出しのフレーズに自分の名前を入れて、声に出す

■ほかの人と行う場合
後から出てくる吹き出しのフレーズにあなたの名前を入れて、言ってもらう

Step2
台詞をきいた(言った)ときの、自分の心の反応を感じとる

心の反応とは、言い終わった後の率直な気持ちや、気持ちの温度感(少し嬉しい、フラット、とても嬉しい等)、つまり心の機微であり、繊細な気分ともいえるものです。

体感をしてほしいので、この後のフレーズを必ず声に出して、一言ずつ心の動きを感じ取って下さいね。

表現の違いの理解・体感ワーク【やってみよう】

まずは、ポジティブな内容からいきましょう。

一人で行う場合を想定して書いていきますが、できればパートナーやほかの方ともやってみてくださいね。


言葉を聞く際には、目を閉じておくのも効果的です。
聞いた(言った)後は、落ち着いて、心の機微を感じてみましょう。


では、声に出してほしいフレーズです。
全部で5種類あります。

適宜、自分の受け取りやすいように抑揚をつけてくださいね。

〇〇(あなた)のお部屋、素晴らしいね!

どんな心地がし、どんなイメージを持ったでしょうか。


では、次のフレーズです。

〇〇(あなた)の日々のお掃除、すばらしいね!

今度はどんな気分、どんなイメージでしたか?

”嬉しさ”などの度数で10点満点で点数をつけておくのも、比較がしやすくなるかもしれません。

点数だけではなく、印象や感覚も大切にしてくださいね。

〇〇(あなた)のお掃除力、すばらしいね!

曖昧でも、わからなくてもかまいません。

言葉を耳にした後の余韻を大切にしてくださいね。


〇〇(あなた)の掃除への考え方、素晴らしいね!

味わってくださいね。
次がラストです。


〇〇(あなた)って、素晴らしいね!

違いを感じることはできましたか?


初めてのことだとわかりにくかったかもしれませんが


例えば、ぐさっと突き刺さる言葉というものがありますよね。
それもこれに関わっていることがあります。



先ほど声に出していただいた例は、それぞれニューロロジカルレベルの「5(環境)」→1「(アイデンティティ)」の各レベルを表す表現でした。


そう考えてみると、後から言ったフレーズほど、きいた時に”自分自身”がほめられていることに近づいていたように感じられたのではないでしょうか?

こういう時に、受け取る側の気持ちを実感できていると、発信の仕方の意識が変わり、自然と言葉も変わります。



そのため、次では「不満な気持ちをぶつけられた側」の立場だという意識をもって、言われたときの印象を一緒に体験しましょう。

不満を言われた時の印象の違いを実感しよう

今度は、夫婦の会話の中で相手から自分が不満を言われた場合を考えていきましょう。

先ほどと同じく、〇〇部分に自分の名前を入れて一度口に出してみてくださいね。



繰り返しになりますが、
違いを自分自身が実感しておくと、自分の発言を振り返る時にも気づきがはるかに大きいです。

ですので、実際にやってみること、経験することに価値があります。

今回もフレーズは5つあります。
裏には、その状態では嫌だという不満な気持ちがあるという前提をもつセリフです。

では、最初のフレーズです。

〇〇の部屋、かなり汚いね…

環境についての言及でした。

〇〇は本当に日々の片づけをしないよね

行動についての言及です。

〇〇は本当に掃除できないよね…

能力についての言及です。

〇〇には衛生観念というものがないよね…

価値観、考えに対しての言及でしたね。

〇〇って不潔だよね…

最後には、”あなたそのもの”が否定されてしまいました・・・

環境レベルのことが一番自分自身のこととは離れているので言われても気持ちの処理がしやすいと思います。


しかし、行動、能力、価値観レベルになってくるにつれ、だんだんと「心の痛み」が増してきます。


そして、「あなたって不潔」とアイデンティティレベルのフレーズを言われた日には


自分自身の「人格を全否定」され前向きな気持ちなど起こらなくなって


しまいます。


そこで、改めてこのポイントです。

相手に受け取ってもらうためのポイント

「相手の行動を改善してもらうこと」が目的なら、

「行動レベル」の表現で

相手に改善してもらいたい内容

を伝える

では、これらの理解をもとに、不満の気持ちを上手に伝え気持ちよく行動を改善してもらえる、夫婦の間の具体的な会話例に進みましょう。

不満を上手に伝える夫婦の会話術

上手な不満の伝え方

  1. 相手が落ち着いていることを確認して、相手の目を見て
  2. 相手の「行動」に対するリクエストを、その場で明快に伝える
  3. その行動に対しての思い(感情)をはっきりと簡潔に伝える
  4. 沈黙
  5. 改善をお願いしたいのは行動に対してだけであることと同時に、相手自身への好意や尊敬を伝える

うさぎさんとクマさんに会話をしてもらいましょう。

(相手の心に余裕がありそうなときに、相手の目を見て、もしくは何かがあったその瞬間に、その場で落ち着いて)うさぎさん

ん?

床に物を置いて、そのままにしておくのはやめてほしいよ。

うん・・

家の中で二人とも気持ちよく過ごしたいと思ってる。

うさぎさんにとって、物を床にぽいっと投げ捨てるのは快適なことだと思うんだけど、こちらにとっては家の中を歩くだけでも物を気にして歩くのはすごくストレスがかかって落ち着かないことだし、拾って回ることにも最近ではすごく嫌悪感を抱いてしまうんだ。

だから、物を床に置かないでほしいって思ってる。

・・・数秒

(あえて、気持ちを感じたり、理解をする時間をとります)

うさぎさんと一緒に仲良くいるために、二人共にとって気持ちよく過ごせる家にしたいと思ってるからなんだ。

だから、うさぎさんも何かリクエストがあったら言ってほしいし、事情があるなら理解したいよ。

うん。わかった。気を付ける。
でも、もしまたやってたら、怒らずにその場で言ってね。

この夫婦の会話の方法については、こちらの記事が参考になります。

夫や妻への不満の上手な伝え方①気持ちが伝わり行動が変わる夫婦の会話

日常的なパートナーの行動に対する不満を伝え、改善してもらうための5つの考え方と会話の方法を具体的にわかりやすく書いています。

夫婦関係は、相手のあることです。

自分と”違う”相手に対して”伝える”ことの難しさを感じているかもしれません。

人生は、学びの連続です。

夫婦の対話の練習帳を、私も・あなたも幸せになるために頑張るあなたの役に立てれば嬉しいです。


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