夫や妻へ夫婦の不満の上手な伝え方②喧嘩は卒業【傷つけない】がコツ
夫婦でいれば、1度や2度ならずとも夫や妻のことを不満に思うことはあるものです。
でも
不満の気持ちを
そのままパートナーに伝えても、相手が素直に受け止め改善してくれる
わけではないんですよね。
だからといって、不満な気持ちを放っておくとどんどんと膨らみ、最終的には何もかもが嫌に思えて夫婦関係が破綻しまうこともあります。

そうなる前に、気持ちを伝え、相手に受け入れてもらえる適切な伝え方とその方法が必要な理由を知っておくといいですよね。
この記事が役に立つこと
・相手はあなたの不満を受け止めやすくなり、改善してもらえる確率が上がる
・お互いが今までよりも気持ちよく過ごせるようになる
この記事は
不満を伝えた時の相手の内面への印象を理解して、受け取ってもらえる不満の伝え方
です。
「夫婦間の不満に対する考え方と伝え方」の全般に対してはこちらの記事を見て下さいね。
夫婦の不満と向き合い、上手に伝えるポイント

今回のポイントはこれです
1つ目のポイントは
日常で相手に対して不満に思うことの多くは、相手の「行動」に対してで「その人自身(人格)」に対してではない
ということです。
よく分からなくても大丈夫。
読み進めながら理解をしていきましょう!
不満を伝える夫婦の会話のカギ
1つ目のポイントは、「不満に思うことは相手の「行動」と「その人自身(人格)」のどちらなのかを考えて、伝える」ということでした。
そこで、まず、「行動」と「その人自身」の違いについてみていきましょう。
「行動」と「その人自身(人格)」の違いとは?
こんな会話を聴いたことや見たことがありませんか?

毎日床に置かれる1日履いた後の靴下!毎日毎日なんで脱ぎ散らかすの?!本当にやめてほしい!すっごく嫌だ!ほんとむかつく。

毎日毎日くまさんに小言を言われちゃう。疲れて帰ってきて、悪気があってやっているわけじゃないのに。。嫌だなぁ・・。
ここで大切なことは、くまさんの嫌なこと=靴下を脱ぎ散らかすという、うさぎさんの行動だということです。
「行動」と「その人自身(人格)」の違いを意識する必要性
簡単に言うと、「行動」と「その人自身」の違いを意識する必要があるのは、あなたにとってこういうメリットがあるからです。
行動とその人自身の違いを意識する理由
「行動」を直してほしいと言われているか
「その人自身」についてダメ出しをされている
と相手が受け取るかによって相手の心証が変わり、
相手に話を受け入れてもらえる確率が変わるから
行動については分かりやすいと思いますが「その人自身」について補足すると、
その人自身(人格)=命をもって生きている1人の人
だと思ってもらえたらいいと思います。
そう考えると、まったく別の話に思えますよね。
でも、私たちはそれを一緒にした表現をしてしまうのです。
適切な表現ができなくなってしまう時
不満を持つ(伝える)側
誰もが、はじめは「靴下を脱ぎ散らかすのはやめてほしい」と行動について相手にリクエストを伝えていると思います。
このように最初は当たり前に
「行動を変えてほしい」
と考えられるのですが、不思議なことに私たちの脳の機能(認知)は、毎日のことになるとだんだん
(靴下を脱ぎ散らかし続ける)うさぎさん=嫌だ
と考えるようになってきてしまう習性をもっています。
そうすると

(靴下を脱ぎ散らしてる)うさぎさんなんて嫌い
と思わず言ってしまうことようなことがあります。
これが、「行動」と「その人自身」が一緒にしてしまった”考え”と”表現”です。

いやいや、やっていることと、その人自身を一緒に考えるなんて、そんなことないない!!
と思ったあなたにほど伝えたい、意外な事実があるんです。。
受け取る側
一旦、受け取り側の頭の中(捉え方)にも目を向けてみましょう。

もっと家の中すっきりしないかなー

じゃあ、靴下を脱ぎ捨てるのをやめたら?
たったこれだけの会話で、うさぎさん側の人はこういう風に思うことがあります。

うさぎが悪いって言うんだね!
この時、うさぎさんの頭の中は、「自分=悪い人」となってしまっているのです。
こんな会話の展開、記憶にありませんか??
「え???なんでそこで怒るの?!」というようなことです。
そして、こうなってくるともう会話は成立しません。
クマさんの頭の中は
靴下を脱ぎ捨てる”行動”をやめたらどうだろう?
と思っているだけですが
うさぎさんの頭の中では
自分自身=悪い
となってしまっている状態です。
そうすると、後ほど詳しく説明しますが、自分自身を守る心の働きがうまれ、相手の言うことなど入ってこなくなってしまうのです。
これが、2つ目のポイントの「相手の捉え方にも目を向ける」必要があるということです。
相手を傷つけずに伝え・受け取れる表現
自分を守る心の働きが生まれると相手の言うことは入ってこなくなってしまう、ということがあります。
それを理解するには、こちらの図を見ると分かりやすいかもしれません。
これは、ニューロロジカルレベルと呼ばれるものです。簡単に言うと、人間の意識は浅いところから深いところまで5つの段階に分けられるという考え方です。
※ここでは、理解しやすいように図を改変しています
人間の意識
人格(自分の心)に近い部分から
- アイデンティティ
- 価値観
- 能力
- 行動
- 環境
の5段階に分けられる
人は、環境に近いことを言われているほど人は受け入れやすく、アイデンティティに近いほど変化を受け入れにくいという性質を持っています。
それが、先ほど書いた
「行動」を直してほしいと言われているか、「その人自身」についてダメ出しをされていると相手が受け取るかによって、相手に話を受け入れてもらえる確率が変わってしまう
ということに繋がってきます。
では、印象はどう違うのでしょうか?
伝え方による印象の違い
ニューロロジカルレベルの各段階に基づいた表現をご紹介します。
表現による心への影響の違い
- 環境:散らかってるね
- 行動:片づけてね
- 能力:片づけが下手だね
- 価値観:片づける気がないね
- 人格:だめな人だね
環境レベルのことが一番自分自身のこととは離れているので傷つくことも少なく、言われても気持ちの処理がしやすいです。
しかし、行動、能力、価値観レベルになるにつれ、だんだんとぐさっつ自分の心に突き刺さる強さが変わってくるのが分かるでしょうか。
いわゆる「心の痛み」が増してきます。
自分自身の「人格を全否定」されたら、多くの人は前向きな気持ちなど起こらなくなってしまいます。
(ごく稀に奮起する人もいますが、少数派です。また、ご自分がそうだからと言って、ほかの人が同じとは限りません)
叱咤するほど相手は変わるのではないか?という考えもあるかもしれませんが、最近の研究ではそうではないことが分かりつつあります。
私たち人間のほとんどの人は、「心の痛み」が増すほど相手の言葉を受け入れにくくなってしまうのです。
心の痛みを拒否する働きは、「否定されたくない」に繋がります。
こちらで詳しく解説しています。
夫と妻、二人で知っておきたいこと
相手や自分の心のどのレベルに伝わる表現かによって、受け入れられ方が全く違うということを知りました。
相手に受け取ってもらいたいなら、相手が受け取りやすい伝え方に配慮する必要がありますし、受け取る側も相手はどのレベルのことを言いたいのかと考えることができたら責められていると思わなくてもよくなります。
ですが、先ほどのように、「伝える側」も「受け取る側」も、行動・行為についての話のはずが、いつの間にか自分(相手)自身について責める・責められていると考えてしまうことがあります。
それは、人間の脳がこのような働きをするものだからだと知っておくことによって、自分の捉え方や相手の捉え方を冷静に見ることができるようになります。
そうすると、落ち着いたときにこのように考えることもできます。

「靴下のこと」は毎日で嫌になるけど、「料理をしてくれていること」には毎日感謝してる。
変えてほしいリクエストは、1つの行動についてのことなんだと分かるように伝えよう。

ああ、クマさんはうさぎ自身の存在を否定したり責めたわけではなくて、「靴下を脱ぎ捨てるのをやめたら?」という行動に対して言っただけなんだ
そうすると、無駄に相手を責めたり、相手に嫌な気持ちになることもしなくてよくなりますし、場合によっては自分の捉え方の偏りについて謝ることもできます。
表現による心への影響の違いを実感する方法(ワークで体感版)はこちらにあります。
まとめ
もし
「相手の行動を改善してもらうこと」が目的なら、
「行動レベル」の表現で
相手に改善してもらいたい内容
を伝える
と相手に受け取ってもらいやすくなります。
伝え方の会話例についてはこちらをご覧ください。
夫婦一緒にいると不満に思うこともでてきます。
でも、相手の考えや行動と自分の考えや行動を受け止めたりぶつかったりすり合わせたりすることで自分の考えが見えたり、お互いを理解したりすることができます。
それこそがコミュニケーションの醍醐味です。
せっかく出会えたパートナーと「あなたも私も幸せに生きる」ためにこの記事を役立ててもらえたら嬉しいです。